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ハラールの基礎と認証制度の概要

自社製品およびターゲットに合わせた認証と認証に頼らないムスリム対応とは?

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開催日 2019年12月20日 開始:10:30 | 終了:16:30 | 開場:10:00
会場 江東区産業会館 第2会議室
東京都江東区東陽4-5-18[地図]
※地図は若干の誤差が生じる場合があります。詳細は主催者よりご連絡いたします。

講師 立命館大学 阿良田麻里子
定員 30名
主催 株式会社R&D支援センター
受講備考 会員(案内)登録していただいた場合、通常1名様申込で55,000円(税込)から
 ★1名で申込の場合、49,500円(税込)へ割引になります。
 ★2名同時申込で両名とも会員登録をしていただいた場合、計55,000円(2人目無料)です。
■ 学生価格は、教職員や研究員、企業に在籍されている学生には適用されません。
また、当日学生証をご持参ください。

※2019年10月1日以降に開催されるセミナーの受講料は、お申込みいただく時期に関わらず消費税が10%になります。
関連資料

概要


訪日外国人が3000万人を超え、さらに東京オリンピックや大阪万博など多数の訪日外国人観光客を惹きつけるイベントを間近に控えている今、日本の飲食産業や観光業などインバウンドビジネス業界にとっては、多種多様な食の禁忌と嗜好をもつ人々に対応することが喫緊の課題となっている。特に、マレーシア・インドネシアなど東南アジア諸国からの訪日・在日ムスリムの姿はもはや日本全国どこへ行っても珍しいものではない。
ハラール食、つまり、イスラーム法に照らして合法的で許された飲食品は、本来、調理に特別な技術や儀礼が必要なわけでもなく、それほど難しいものではない。そもそも禁じられている食品は、豚肉・ノンハラール屠畜肉・血など、ごく一部のものにすぎない。また、飲酒は禁じられているものの、酒の禁忌の解釈や実践の程度には、地域差や個人差が非常に大きい。ムスリム消費者の求めているものは、厳しい規格をクリアしたハラール認証取得品とは限らない。
イスラームは世界宗教である。ムスリムの住まう環境やその基層的な食文化も多様であり、また多くの宗派・法学派に分かれていて、飲食のハラールに関する解釈や行動も多様性に富む。ムスリム対応にあたってはハラール認証が注目されがちであるが、実際には、認証を取得しなくても、相当数のムスリム消費者に対応することが可能である。特に国内のインバウンドビジネス市場では、むしろ誠実でわかりやすい情報開示によって選択肢を示し、消費者自身に好みの食べ物を選んでもらえる環境づくりが必要である。また、海外のムスリム市場への輸出や進出を目指す場合、ターゲット市場の状況に合わせて、適切な認証団体から認証を取得することが望ましい。費用対効果を考えつつ、自社の商品・サービスには、どのような対応が必要なのかを見極める必要がある。
本セミナーでは、ハラールをめぐる認証制度の概要とともに、認証だけでないハラールやハラール解釈の多様性とはどういうことかを総合的に扱う。配慮不足にも過剰防衛にも陥らず、対象となる市場を定めて、そのニーズに合った商品やサービスを開発すること。誠実で過不足のない情報開示によって、どこまでできるのか対応レベルの限界を明示しつつ、それでもよいと考えるムスリム消費者に選んでもらうこと。そのために何に注意して情報を開示するのか、どのようにコミュニケーションをとればよいのかを考える。

プログラム

  1.  1.はじめに:配慮不足と過剰防衛の間でバランスをとること

     2. イスラームとムスリム
      2-1.ムスリム市場の多様性
      2-2.六信五行:礼拝と断食の概要と対応
      2-3.行為の五分類とハラール(合法)・ハラーム(禁止)

     3 ハラールの基礎と解釈の多様性
      3-1.食の禁忌の原則とハラールの基礎
      3-2.不浄と浄め
      3-3.アルコールをめぐる解釈の多様性
      3-4. 屠畜方法とハラール肉
      3-5.魚介類の解釈の多様性
      3-6.遺伝子組み換え作物に対する態度
      3-7.添加物と交差汚染:「疑わしいもの」の拡大

     4 ハラールをめぐる認証制度
      4-1.ハラール肉と屠畜証明
      4-2.ハラール認証制度とハラーラン・タイイバン
      4-3.世界の主要な認証規格
      4-4.認証機関(CB)同士の相互認定と承認機関(AB)による承認
      4-5.日本の主要な認証機関
      4-6. ハラールに関連する諸認証:ムスリムフレンドリーの意味

     5 認証に頼らないムスリム対応:情報開示とコミュニケーション
      5-1.ハラールはハラール認証より広い
      5-2.IT技術・検査技術の発達と風評被害の広がり方
      5-3.情報戦略の重要性:情報開示と情報収集
      5-4.いちばん大事なこと:ムスリムの声を聞く
      5-5.マイクロインフルエンサーによるバイラルマーケティング
      5-6.すぐできる対応:肉および禁忌食材使用を明示する
       5-6-1.使用食材の表示法:ピクトグラム、禁忌食材表、多言語対応
       5-6-2.不使用であることの表示法:「~フリー」表示と分冊メニュー
      5-7.一歩進んだ対応:食材・食品のハラール化、調理器具等の区別

     6 おわりに:多様な食嗜好と禁忌をもつ人々に開かれた社会を目指して

    【質疑応答】

講師

  • 立命館大学
    食マネジメント学部
    教授 博士(文学)
    阿良田麻里子

    《経歴》
    立命館大学食マネジメント学部教授。国立民族学博物館外来研究員、東京国際大学・園田学園女子大学・摂南大学・京都産業大学・同志社女子大学・武庫川女子大学等の非常勤講師、東京工業大学「ぐるなび」食の未来創成寄附講座特任助教・特任講師、立命館大学経済学部客員教授を経て現職。

    《著書》
    単著として『食のハラール入門 今日からできるムスリム対応』講談社、『世界の食文化6 インドネシア』農文協、共著に『大学生・社会人のためのイスラーム講座』ナカニシヤ出版、編著に『文化を食べる、文化を飲む グローカル化する世界の食とビジネス』ドメス出版など。

    《専門》
    食文化研究、文化人類学、言語人類学、インドネシア研究

    《所属学会》
    日本文化人類学会(2004年~)、東南アジア学会(2006年~)、日本インドネシア学会(2009年~)、家政学会食文化研究部会(2011年~)、和食文化学会(2018年~)、日本ハラールサイエンス学会(2019年~)など

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