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ドラッグ・リポジショニングにおける候補化合物/適応症の探索方法と事業化戦略

☆化合物探索/高薬価取得/マーケティング戦略...  事業化に向けた課題を解決するために!~

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開催日 2019年4月17日 開始:10:30 | 終了:16:30 | 開場:10:00
会場 商工情報センター 9F 研修室
東京都江東区亀戸2-19-1[地図]
※地図は若干の誤差が生じる場合があります。詳細は主催者よりご連絡いたします。

講師 産業技術総合研究所  堀本 勝久氏
東京医科大学 郭 伸 氏
Pharma Business Consultant, ペプチドリームPD 社外取締役 長江 敏男 氏
定員 30名
主催 株式会社R&D支援センター
受講備考
関連資料

概要

 ドラッグ・リパーパシングは、市販薬の新規適応症を探索する。大きく二つの課題があり、ある疾患について別の疾患に適用されていたが当該疾患にも薬効を示す市販薬を探索するという課題と、ある市販薬について添付文書に記載のない新しい適応症を探索するという課題である。ただし、薬の側からみれば、どちらも同じく新規適応症の探索になる。
 通常のドラッグ・リパーパシングは、薬理学や医薬品化学の専門家の頭の中にある知識をフル活用して、薬効の分子機序が共通であるもしくは化合物の構造が類似している(標的分子が共通である)と想定できる疾患の間で新規適応の仮説を立て、その仮説を実験的に検証する、というプロセスで進む。私どものアプローチは、オミックスデータ(特に遺伝子発現データ)に現れる薬剤投与もしくは疾患の細胞内分子変動に着目して、市販薬の新規適応症を探索します。この探索に際しては、分子変動の検出、市販薬の参照変動データの整理収納、それらデータと探索する対象の変動データとの照応をシームレスに実行する探索プラットフォームを完成させている。
 特に我々のプラットフォームで差別化されるのは、ネットワーク解析技術の積極的な導入である。分子間相互作用から生物学機能が発揮されることを鑑みて、新規適応症発見の精度向上に役立ている。また、この技術は、ドラッグ・リパーパシングのみならず、活性化した細胞シグナル伝達経路の選定や前向きデータに頑強な層別化マーカーの発見に利用されている。実際のシステムやその実施例、さらに利点と欠点について会場で解説する。

プログラム

  1. 1部:10:30~12:00 
    ​ 「市販薬/既存化合物からの新規適応症の探索方法 ~細胞内分子変動に基づくプラットフォーム型ドラッグ・リパーパシング~」
    講師: 産業技術総合研究所 創薬分子プロファイリング研究センター 副研究センター長 堀本 勝久氏

     1.ドラッグ・リパーパシングの背景
      1‐1 ドラッグ・リパーパシングの様々な方法
      1‐2 細胞内変動分子の探し方

     2.細胞内分子変動に基づくドラッグ・リパーパシング
      2‐1 ある疾患に薬効を示す市販薬の探索
      2‐2 ある市販薬の新規適応症の探索

     3.ネットワーク解析技術の適応拡張
      3‐1 活性化リン酸化マスウェイの同定
      3‐2 層別化マーカーの発見

     【質疑応答・名刺交換】

2部:12:45~14:15 ​「ドラッグ・リポジショニング事例 ~筋萎縮性側索硬化症(ALS)の分子標的治療法の開発~」

講師: 東京医科大学 神経分子病態学寄附講座 特任教授 郭 伸 氏

【習得できる知識】
・ALSの臨床/病理/分子病態のup-to-dateな知識
・様々な遺伝子異常によるALSと孤発性ALSとの相違点・共通点
・ALSの病因解明にいたる疾患特異的病変
・治療標的分子を定めたALSの治療法開発
・必ず成功する治療法開発戦略とは
・臨床試験実施へのハードル:研究者と治療法開発者の橋渡し

【趣旨・ポイント】
・ALSを臨床・病理・分子病態から理解する
 -疾患概念
 -臨床像が多彩な理由
 -特異的病理像
 -家族性ALSと孤発性ALS
・孤発性ALSに働いている疾患特異的な分子病態を理解する
 -患者に見出された分子異常(AMPA受容体サブユニットのRNA編集異常、RNA編集酵素ADARの選択的Downregulation)
 -分子病態モデル動物作製を通じた病因的意義の証明(コンディショナルADAR2 ノックアウトマウスの作製、ALS様表現型の解析)
 -モデルマウスと患者での病変の相同性の解析・病因メカニズムの解析(ALSに特異的なTDP-43病理の再現・形成メカニズムの解明、核膜孔複合体の破綻)
・細胞死カスケードの解明から治療標的分子異常を同定した道筋を理解し治療戦略を知る(疾患特異的なADAR2発現低下から運動ニューロン死に至る細胞死カスケード)
・治療標的を特定した特異治療法の開発に至る道筋を知り、治療実現の可能性を知り新たな治療法開発を探る
 -モデル動物(分子病態の再現)
 -臨床試験(分子標的に対する特異的治療法)

【プログラム】
 1.ALS概説:current topicsを含む
  (ア) ALSは健康成人が罹る数年で死に至る難病である
  (イ) 疫学概説:遺伝子変異など
  (ウ) 孤発性ALSと家族性ALSの相違点・共通点
  (エ) 臨床像の多彩さと病因との関連
  (オ) 臨床像が多彩であるにも拘わらず病理像が均一であること

 2.孤発性ALSの病因解明
  (ア) 病的組織に見られる疾患特異的分子変化
  (イ) 分子病態を再現するモデルマウスの開発・解析
  (ウ) 病因メカニズム・細胞死に至る分子カスケードの解析

 3.治療法開発
  (ア) 細胞死カスケード解析から特定された治療標的の特定
  (イ) 分子異常の正常化の方法の開発
  (ウ) 分子病態モデル動物を用いた治療成績
  (エ)治療が成功する可能性が高い治療法開発方法について

 4.臨床試験
  (ア) ペランパネルによる孤発性ALSを対象とした医師主導試験事例
  (イ) AAV-ADAR2ベクターを用いたALSの遺伝子治療開発

 5.今後の方向性

 【質疑応答・名刺交換】

3部:14:30~16:30 ​「薬価を含む事業化戦略、価値最大化課題と解決代替案」

講師: Pharma Business Consultant、 ペプチドリーム社外取締役、HMT社外取締役、岐阜薬科大学客員教授 長江 敏男 氏

【趣旨・ポイント】
Re-positioning医薬の研究開発から薬価を含む事業化戦略については、アカデミア、製薬業界、個別企業、個人レベルの「既成概念」や「通年」が多いことを彼方此方で痛感する。「通念が痛念にならないよう」価値最大化へとガイドすることを主目的とします。突っ込みQ&Aディスカッション大歓迎です。但しインサイダー情報は開示しません。

【プログラム】(一部仮)
1.Re-positioningによる価値創出、アンメット医療ニーズに対する医薬の応答
2.Re-positioning医薬に重要な戦略思考、開発戦略により事業価値が大きく上下する
3.事業価値を上げる為に創薬研究開発ステージから必要な薬価を含む事業化戦略代替案
4.薬価を含む事業化戦略は開発戦略との繋がり一貫性が欠かせない、後付けはムリ?
5.開発/事業化について、適応拡大シナリオと別もの戦略、夫々の有利不利を考察する
6.ケーススタディ:薬価既収載品から、抗喘息薬から難病治療薬へ、その他
7.ケーススタディ:創薬研究段階で情報開示されたアカデミアプロジェクトから
8.Re-positioning医薬ライセンス導出導入:顕在&潜在課題と課題解決代替案
9.Re-positioning自社創薬およびライセンス候補品の事業価値評価の基本的な考え方
10.Re-positioning医薬マーケティング戦略、顕在&潜在課題と課題解決代替案
11.Re-positioning医薬マーケティングリサーチの狙いと陥りがちな問題と解決代替案
12.業界、社内、個人によく見られる通念OXOXO「通念が痛念」にならないように

 【質疑応答・名刺交換】

講師

  • 産業技術総合研究所 
    創薬分子プロファイリング研究センター 副研究センター長 
    堀本 勝久氏

    《専門》
     システム薬理学
    《略歴》
    1991年3月 東京理科大学理工学研究科修了(理学博士取得、専攻:生物物理)
    1991年4月 東京理科大学生命科学研究所・助手
    1997年4月 佐賀医科大学一般教育等・助教授(数学)
    2002年10月 東京大学医科学研究所・特任教授
    2006年4月 産業技術総合研究所生命情報工学研究センター・研究チーム長
    2013年4月 産業技術総合研究所創薬分子プロファイリング研究センター・副研究センター長
    2017年12月 産総研発ベンチャー、ソシウム株式会社(https://www.socium.co.jp/)最高技術責任者(CTO)を兼務
     現在に至る
    2008年4月 京都大学化学研究所・客員教授(2009年3月まで)
    2008年10月 上海大学システム生物学研究所(中国)非常勤教授(2013年9月まで)
    2011年10月 蘇州大学計算システム生物学研究所(中国)非常勤教授(2015年9月まで)
    2012年10月 中国科学院(中国)非常勤教授(2013年9月まで)

  • 東京医科大学
    神経分子病態学寄附講座 特任教授
    郭 伸 氏

    《専門》
     臨床神経内科学、神経変性疾患、孤発性筋萎縮性側索硬化症の分子病態
    《略歴》
    1977年 東京大学医学部医学科卒業
    1983年 東京大学医学部神経内科 助手
    1989年 国立精神・神経センター神経研究所 室長
    1994年 東京大学医学部附属病院神経内科 講師
    1997年 東京大学大学院医学系研究科神経内科学 准教授
    2012年 東京大学大学院医学系研究科 客員研究員・非常勤講師
    2014年 株式会社遺伝子治療研究所 顧問
    2018年 東京医科大学神経分子病態学 特任教授

  • Pharma Business Consultant, ペプチドリームPD 社外取締役
    長江 敏男 氏

    セカンドオピニオンとして薬価戦略を含む事業価値最大化戦略などを提案、ノーハウ共有。100以上のプロジェクトを分担実行中。製薬対製薬の機会損失損害賠償を求めた欧・米・APの裁判で損失額算定など専門家意見調書を提出。日本薬学会ファルマシア2017年6月号オピニオン「日本発創薬をグローバル市場で価値最大化、課題と解決代替案」、関連およびその他テーマで2016 日本薬剤学会(臨床開発パラダイムシフト)で講演&パネル討論、2015 日本化学会先端テクノロジー部門で基調講演、2007インターナショナル医薬経済学会ISPOR日米パネル討論日本側討論者、同2005日本代表講演者、2005 DIA座長 (Washington DC)および関連論文多数。
    元(サノフィ)アベンティス執行役員メディカル/マーケティング部長、コンサルタント会社、外資系企業役員幹部等を歴任。

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