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ビーズクッション採型機を用いたポジショニングアプローチです(2019年 東京都作業療法学会にて発表)
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認知科学から関節拘縮を改善していくアプローチです ■2011年6月ポジショニングR.E.D.発表から4年・・・堂々完成。 2019年東京都作業療法学会にて口述発表。 ■身体全体へ支持と固定を入力し、重力と抗反撥に拮抗させるポジショニングBL_UE。 ■その効果は、認知科学、脳神経科学の各理論を具現化する結果を導いていた。 低反撥マットレスを数枚重ねてポジショニングを行うことで、身体質量と重力が拮抗し筋緊張が安定し、関節拘縮の変化と長時間持続する臨床研究が発表されました。ニュートン物理学、第三法則、作用-反作用の法則の、反作用を限りなく小さくするという、微小重力相対性理論の仮説を実証した結果でこの環境をRehabilitation & Engineering Design -R.E.D.-とし、2010年より研究が開始されました。 同環境は低反撥マットレスの沈み込み特性が身体全体を包み込み、微小重力でありながら感覚入力ができる特性があります。これが維持期、慢性期の関節拘縮を改善させる要因と考えられ研究が進んでいます。 この研究とは正反対に、身体を包み込む感覚入力をビーズクッションで型を採り全身を固定するような環境にすると、同様の筋緊張の改善と高次脳機能への変化が確認されました。 この結果は、認知科学分野、脳神経科学分野の理論を実証する結果につながります。 今回はこの現象をご紹介し、仮説を究明します。 【論文の原文より抜粋】 R.E.D.環境を参考にビーズクッション型採型機を用いてポジショニングをおこなったところ、R.E.D.現象より早い過緊張の改善が観察された。(症例30名。MAS介入前:平均4、介入後:平均2、変化に要した時間:1分未満17名、5分未満7名、15分未満4名) ビーズクッション型採型機はビーズ内の空気をポンプで抜く事で身体全体の型を取り、身体輪郭を浮かび上がらせる。型を取るためR.E.D.環境とは反対に表面は硬くなるが身体輪郭のすべてに密着した固定状態となる。これが、麻痺側や感覚鈍磨の活動電位を賦活させ、身体定位に結び付いていると考察した。このようなR.E.D.の特性である感覚入力訓練のみを抽出して行った研究であるため研究名称をR.E.D. ?sensoryとした。 【高反撥ビーズクッションポジショニングの考察】 身体背面、身体輪郭に対して、硬い面上で触れる感覚入力は『身体を固定』し、身体定位と麻痺側の認知を促し、筋緊張の安定を経て左側空間への認知に移行したと考える。この現象の理解として一般的な臨床を考えると、片麻痺患者の臨床では、屈筋側の過緊張を呈した場合、活動電位が高まり屈曲方向の運動が優位となる。しかし、R.E.D. ?sensory環境により、麻痺側背部や肩甲骨周囲、腰部の広範な感覚入力と支持性が拮抗筋の支持と拮抗筋側の活動電位に影響し、伸張反射等脊髄反射やα‐γ連関に影響した。更に感覚と支持性の安定は、身体の筋組織全体に無数に存在する筋紡錘と表在感覚や運動覚、位置覚と連動を始め、脳(運動前野)の本来の役割をγ系を介して遠心性に指令を出し高次脳機能に必要な身体生起に影響したと考える。
低反撥マットレスを数枚重ねてポジショニングを行うことで、身体質量と重力が拮抗し筋緊張が安定し、関節拘縮の変化と長時間持続する臨床研究が発表されました。ニュートン物理学、第三法則、作用-反作用の法則の、反作用を限りなく小さくするという、微小重力相対性理論の仮説を実証した結果でこの環境をRehabilitation & Engineering Design -R.E.D.-とし、2010年より研究が開始されました。 同環境は低反撥マットレスの沈み込み特性が身体全体を包み込み、微小重力でありながら感覚入力ができる特性があります。これが維持期、慢性期の関節拘縮を改善させる要因と考えられ研究が進んでいます。 この研究とは正反対に、身体を包み込む感覚入力をビーズクッションで型を採り全身を固定するような環境にすると、同様の筋緊張の改善と高次脳機能への変化が確認されました。 この結果は、認知科学分野、脳神経科学分野の理論を実証する結果につながります。 今回はこの現象をご紹介し、仮説を究明します。 【論文の原文より抜粋】 R.E.D.環境を参考にビーズクッション型採型機を用いてポジショニングをおこなったところ、R.E.D.現象より早い過緊張の改善が観察された。(症例30名。MAS介入前:平均4、介入後:平均2、変化に要した時間:1分未満17名、5分未満7名、15分未満4名) ビーズクッション型採型機はビーズ内の空気をポンプで抜く事で身体全体の型を取り、身体輪郭を浮かび上がらせる。型を取るためR.E.D.環境とは反対に表面は硬くなるが身体輪郭のすべてに密着した固定状態となる。これが、麻痺側や感覚鈍磨の活動電位を賦活させ、身体定位に結び付いていると考察した。このようなR.E.D.の特性である感覚入力訓練のみを抽出して行った研究であるため研究名称をR.E.D. ?sensoryとした。 【高反撥ビーズクッションポジショニングの考察】 身体背面、身体輪郭に対して、硬い面上で触れる感覚入力は『身体を固定』し、身体定位と麻痺側の認知を促し、筋緊張の安定を経て左側空間への認知に移行したと考える。この現象の理解として一般的な臨床を考えると、片麻痺患者の臨床では、屈筋側の過緊張を呈した場合、活動電位が高まり屈曲方向の運動が優位となる。しかし、R.E.D. ?sensory環境により、麻痺側背部や肩甲骨周囲、腰部の広範な感覚入力と支持性が拮抗筋の支持と拮抗筋側の活動電位に影響し、伸張反射等脊髄反射やα‐γ連関に影響した。更に感覚と支持性の安定は、身体の筋組織全体に無数に存在する筋紡錘と表在感覚や運動覚、位置覚と連動を始め、脳(運動前野)の本来の役割をγ系を介して遠心性に指令を出し高次脳機能に必要な身体生起に影響したと考える。
■2015 ●第49回 日本作業療法学会 6/20 神戸 【学会会場でよくある質問】 Q1 病室のベットで使うのですか? A: 訓練室で使います。訓練で用いるのみで、病室のベットでは使いません。 Q2どのくらいの時間、ポジショニングをするんですか。 A: 30分です。訓練終了後は病室のベットに戻ります。 Q3 筋緊張が安定し、関節拘縮や可動域に変化が起こることはわかりました。その状態はどのくらい持続するのでしょうか。 A: 疾患や発症からどのくらい経過したかによりますが、変化した筋緊張は必ず持続します。脳血管障害で1日~2日です。その後、日常生活や訓練で再び筋緊張が亢進します。亢進してきたらその都度R.E.D.が介入し、筋緊張制御を行います。次第に介入の頻度が少なくなり安定した筋緊張の状態になっていきます。これを段階的筋緊張制御と呼んでいます。 整形外科疾患や廃用症候群はもっと長く、3日~4日、最も長い方で2週間という人もいました。長期療養生活が長いほど、一度に緩む範囲や持続時間が長いです。 Q4 ADLに変化は起こるのでしょうか。 A: たくさんの症例で見られています。特に維持期病棟からのADL獲得事例は、アプローチの信頼性や信憑性を支える実績になっています。具体的な数値としては、基礎研究27名に介入しADL獲得者は3名いました。 Q5 ポジショニングBL_UE環境上で行う訓練の内容を教えてください。 A: ポジショニング、関節可動域訓練やストレッチ、モビライゼーションです。現在臨床で行われている訓練プログラムで、特に特別な事はしていません。 Q6 抗反撥とありますが、圧特性はどうなりますか。 A: 耐圧特性を圧センサーシートでコンピューター解析したところ、頸部から腰椎までの脊椎周囲の圧特性4~11mmHgです。 抗反撥の状態にしてもR.E.D.同様に数mmHgの負荷という結果でした。これが、何を意味するのか解析を急いでいます。 --------------------------------------------------------------------------------- 【特許申請】ポジショニングBL_UE環境についての特許 ■出願番号 ●特許出願2012-142446 ■発明の名称 ●ビーズクッションによるリハビリテーション ---------------------------------------------------------------
日本ユニバーサル リハビリテーション協会 青木 將剛(あおき まさたか)
作業療法士 一般社団法人 日本作業療法士協会 審査員 一般社団法人 日本リハビリテーション工学協会 代議員 日本ユニバーサル リハビリテーション協会 学会指定学術責任者 第1級建築・機械CAD利用技術者 welHANDS medical 代表
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